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近年、音楽用のメディアといえば、CDからデジタルデータへの移行がすすんできています。
しかし、30年前はレコード盤がその主役の座を占めていました。
この開発は、レコード盤からCDへの過渡期のもので、音響機器メーカー各社がCDプレーヤーの開発に沸いていたころのものです。

今回は、そのCDプレーヤーのオートディスクチェンジャーに使用する、「CDマガジン」を解説します。


CDチェンジャーを大別すると、専用のマガジンを使用するものと、しないものとに分かれます。
この開発は前者のもので、各メーカー毎に個性豊かな「CDマガジン」が開発されました。

この開発の中で主張した「CDマガジン」のコンセプトは「ディスクの着脱が簡単」であることです。


【図1】は「CDマガジン」の概略の図面です。
上面図では、ディスクの着脱のためのスリットが6段あり、各々のスリット部にディスクを収納して使用します。
また、断面図では、各段の構造を示しています。

ディスクの装着は、各々のスリットに差し込むだけです。
また、取り出しは「マニュアルレバー」を押し下げるだけです。


各部品の機能の説明は、後回しにして、動作の様子のご覧下さい。
【図2】のアニメーションは、【図1】のA−A断面図での、ディスクの取り出しの様子を描いたものです。
アニメーションの右側の図は、機構部品の様子を拡大したものです。


アニメーションの最後のタイミイングを【図3】で示します。

「マニュアルレバー」を押し下げると、「メカニカルレバー」が連動し、その結果「イジェクトレバー」が回転し、ディスクは上方向へ押し出されます。
また、【図3】の状態まで動くと、「ロックレバー(A),(B)」も連動して、ディスクの通路を妨げる位置に、その先端を突き出します。

こうすることによって、ディスクが、「CDマガジン」から飛び出そうとするのを防いでいます。

【図3】の状態で、「線ばね」は「イジェクトレバー」を反時計方向に回転する力を与えていて、「マニュアルレバー」から手を離しても、ディスクの自重を支えられる(再度「CDマガジン」内にもどらない)ようにしています。

こうすることによって、片手でディスクの交換作業ができるような構造を実現しました。


しかし、この「CDマガジン」を「CDチェンジャーメカ」の中に装着したときには、【図3】のような、ディスクのイジェクト量では不足です。

【図3】のように、「マニュアルレバー」を操作すると、「ロックレバー(B)」が連動してしまい、その先端がディスク外周にふれた瞬間、「マニュアルレバー」はこれ以上動作させることが出来なくなります。

そこで、「メカニカルレバー」を操作することにします。
こうすると、「ロックレバー(A),(B)」との関与はなくなり、ディスクをさらに押し出すことが出来ます。
【図4】は、「メカニカルレバー」をフルストローク動作させたときのディスクのイジェクト量を表しています。

このように、操作部分を使い分けて、ディスク交換作業および、演奏のための動作をしています。


尚、本解説の「CDマガジン」は専用の「CDチェンジャー」に使用されます。


<終わり>


ご注意

  本解説はあくまで基本原理についての説明です。製品化のためのノウハウについては記述していません。
  従って、この解説のままのコピーを作成してもうまく動作しないこともありますので予めご了承下さい。