この考案は、複写機の前面にあるキャビネットのヒンジ(開閉装置)として利用されたものです。
少ない部品点数で、スライド蝶番のような動作をすることが特徴です



要求仕様の概略図 【図1】で記すように、厚みをもったキャビネットを回転
させるときには、その回転中心はキャビネットの隅に
位置させる必要があります。

しかし、デザインの特異性によりそれができないこと
が、よくあります。

今回の設計依頼もそうした状況下にあります
キャビネットへの取付仕様 【図2】がキャビネットの形状です。

中央部分の大きな R がヒンジの取付け位置を隅の
方から遠ざけています。
スライド蝶番の説明 【図3】はスライド蝶番の動作軌跡を記すものです。

回転中心が、スライドするような動作を行います。

家具などに使用されることが多く、木製パネルに埋め
込んで取付けます。

今回のキャビネットにうってつけの機構ですが、キャビ
ネットの厚みが大きく、市販品でそれに見合うものがあ
りません。

新たに設計するにしても、部品点数が多く、金型製作
などの初期費用が大きくなります。


部品構成は、4つのリンク部材と4つの軸が基本構成
です。リンク部材は金型製作を伴います。

漠然とした目標ですが、部品点数を半減させようとしま
した。
新規考案の部品形状 試行錯誤の結果、【図4】のような部品構成を基本とす
るヒンジを設計しました。

金型製作は2つの取付金具だけで、大幅な部品点数
の削減をしました。
左のフラッシュムービーは【図4】の部品構成での動作の様子を説明しています
。画面中央をクリックしてご覧下さい。