一度話を持ち帰っての検討作業。
提示案では部品が多すぎて、動力伝達に大きな弊害があります。
新規取引なので、相手の顔をたてようと、提示案からの引き算で試行錯誤。
毎度の事ながら、この進め方はいつも失敗します。
アイデアの生まれや生い立ちに疑問を感じてきます。そして、やがてストレスに。
そこで、普段通りの手順に戻しました。
まず、要求されるメカニズムの在り方を、なるべく少ないキーワードで並べます。
「遮蔽板」「移動」「動力伝達」
まず、この3つを並べました。
キーワードに対する補足事項を極力避けることを心掛けます。
提示案では補足事項が多過ぎ、キーワードが何処かに埋もれているようでした。
この時点でおぼろげにイメージしたのが【図2】のような構造です。
ベルトが外周付近を回動し、その移動成分を遮蔽板の移動に置き換えるものです。
移動溝と固定溝があります。
遮蔽板は、その2つの溝を貫通するピンを持ちます。
移動溝が横移動すると、遮蔽板は斜めに動作することになります。
普段ならば、ここでひとまず完了し、クライアントとの面談に臨みます。
しかし、初回面談でスライド動作に否定的な意見を述べました。
スライド移動は、移動の対象物のガイドに必要以上の労力を注ぎ込みます。
「簡略なメカニズムとは回転動作です」と大見得を切った記憶もあります。
【図2】は実際には【図3】(この段階では手書きの汚いポンチ絵です)のように重ねて描きます。
この図を眺めながら遮蔽板のピンを回転動作させたいと考えました。 |
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