溝カム カムフォロアの案内を、溝によって行うものを「溝カム」と称しています。
カムフォロアをカムに押し付ける力を掛けたくない場合などに使用され、初期のカセット
テープレコーダーなどは、溝カムの集合体のような構造でした。

切削加工に頼る加工法の場合では経済的とは言えません。
しかし、民生用電子機器では生産数量が膨大なことが多く、金型による量産加工が
行われます。
従って、多少複雑な形状の部品であってもカムの生成は容易にできます。


ひとつの回転動作から、ふたつの部品を間欠動作で直動させる構造です。
欠歯ギヤによる間欠動作でも同様のことができますが、直動の距離が短い場合には、
この方法でも十分です。

溝カムの特徴として、ふたつの溝を重ね合わせることが可能です。
左のフラッシュムービーでは、ひとつのカムフォロア(ピン)でふたつの溝カムの部品を
動かす様子を示しています。


画面中央のボタンをクリックすると、動画が再生されます。


重ね合わせたふたつの溝カムの交点の軌跡を利用する構造です。
さらに、最終的に一方向(動画では X方向)の成分だけを利用した間欠動作です。

画面中央のボタンをクリックすると、動画が再生されます。

<News>
この機構を基に作られた模型の動画が、他のサイトでアップされました。
レゴを趣味にされている方のサイトで、楽しい機構模型がたくさん公開されています。
http://legokarakuri.blog91.fc2.com/blog-entry-44.html
上の動画では、定常動作をする部品に対して間欠動作をする部品は、静止→動作→静止 という関係を作っています。
下の動画では、似たような溝カムの利用方法で、一つの定常動作から二つの部品の間欠動作を行っています。
この機構の関連ページは「間欠動作の応用事例(1)」及び「面一(つらいち)引戸装置」です。